GLOSSARY社労士用語集

育児休業給付金(いくじきゅうぎょうきゅうふきん)

POINT

育児休業給付金は、労働者が育児のために休業する際、その収入を補填する制度です。休業前の給与額と休業期間に基づき計算され、上限が設けられています。

1. 育児休業給付金の概要

育児休業給付金とは、労働者が育児のために一定期間休業を取得する際に、その間の収入を補うための制度です。この制度は労働基準法に基づいて設けられており、労働者が子どもの出産や養育のために休業する際に、所定の手続きを経て事業所から支給されます。

一定の条件を満たす労働者は、育児休業期間中に受け取ることができる給与の一部を補う形で給付金を受け取ることができます。給付金の額は休業前の給与額と休業期間によって決まります。

ここで注目すべきは、育児休業給付金は一定の条件を満たした全ての労働者が対象となるという点です。つまり、事業所の規模や労働者の勤続年数に関わらず、休業を取得する資格がある場合は、給付金を受け取ることが可能となります。これにより、労働者は子育てと仕事との両立を図ることが可能になります。

2. この記事における用語の定義

事業所

事業所とは、ある特定の場所で一定の経済活動を行う組織のことを指します。この場合、経済活動とは商品やサービスを生産・提供する活動を指し、事業所は労働者が雇用される場所となります。

給付金

給付金とは、ある特定の条件を満たした場合に支給される金銭のことを指します。育児休業給付金の場合、労働者が育児のために休業する際の収入補填となる金銭を指します。

休業

休業とは、労働者が一定期間、職務を執行しない状態のことを指します。育児休業の場合、子の誕生または養育のために取得する休業を指します。

労働基準法

労働基準法とは、労働者の労働条件や労働時間、休日等の基準を定め、労働者の権利と義務を保護するための法律です。この法律に基づき、育児休業給付金が設けられています。

3. 育児休業給付金の法的根拠とその解説

育児休業給付金の制度は、労働基準法および育児・介護休業等の取得の促進等に関する法律(以下、育介休業法)に基づいています。ここでは、それぞれの法律についてその主な内容を解説します。

労働基準法

労働基準法は労働者の権利と労働条件を保護する法律であり、その中には労働者の休業権についても規定されています。この法律により、労働者は育児のための一定期間の休業を取得する権利を保障されています。

育介休業法

育介休業法は育児や介護のための休業を取得する労働者を支援するための法律で、育児休業給付金の制度を具体的に規定しています。育介休業法によれば、事業所は育児休業を取得する労働者に対し、一定の給付金を支給する義務を負います。

以上の法律に基づき、事業所は育児休業を取得する労働者に対し、育児休業給付金を支給することが求められます。また、これらの法律は労働者の育児と仕事との両立を支援する重要な枠組みを提供しています。

4. 育児休業給付金の受給条件と手続き

育児休業給付金を受け取るためには、一定の条件を満たす必要があります。以下、その条件と手続きについて説明します。

受給条件

給付金を受け取るための主な条件は以下の通りです。

  1. 労働者が子の誕生または養育のために休業を取得していること。
  2. 休業開始前に一定期間、事業所に勤務していたこと。
  3. 休業開始前に社会保険に加入していたこと。

以上の条件を満たしている労働者は、事業所から育児休業給付金を受け取ることができます。

手続き

給付金を受け取るための手続きは以下の通りです。

  1. 労働者が事業所に対して育児休業の申請を行います。
  2. 事業所が労働者の申請を受け入れ、休業期間と給付金の額を決定します。
  3. 労働者が休業期間中、定期的に給付金を受け取ります。

この手続きは育介休業法に基づいて規定されており、事業所はこれを遵守する義務があります。

5. 育児休業給付金の計算方法

育児休業給付金の額は、休業前の給与額と休業期間によって決まります。以下、その計算方法を説明します。

計算の基本的なステップ

  1. まず、休業前の給与の平均額を計算します。これは、休業開始の6ヶ月間における給与の合計額をその月数で割ることで求めます。
  2. 次に、休業期間を考慮します。休業開始から一定期間は給与額の一部(例えば67%)が、その後は給与額の一部(例えば50%)が給付金として支給されます。
  3. 最後に、これらを組み合わせて育児休業給付金の額を算出します。

この計算方法は、労働者が休業期間中も一定の生活水準を保てるように設計されています。

注意点

育児休業給付金の額は、一定の上限が設けられていることに注意が必要です。これは、給付金の額があまりに高額になることを防ぐための措置であり、法令により定められています。具体的な上限額は、事業所や労働者の具体的な状況により異なりますので、詳しくは所在地の労働局等に問い合わせてください。

6. まとめ

本記事では、育児休業給付金について解説しました。労働基準法および育介休業法に基づいて設けられたこの制度は、労働者が子育てと仕事との両立を可能にするための重要な支援策です。

育児休業給付金の受給には一定の条件があり、その額は休業前の給与と休業期間により計算されます。また、給付金の額には一定の上限が設けられています。

育児休業給付金制度は、労働者が子育て期間でも経済的な安定を保つことを目的としています。事業所はこれらの制度を理解し、適切に運用することで、労働者の子育てと仕事との両立をサポートすることができます。

7. 参考URL

厚生労働省 育児休業給付について

関連用語