GLOSSARY社労士用語集

遺族年金(いぞくねんきん)

POINT

遺族年金は、配偶者や親が死亡した際に、その地位を受け継ぐ遺族に対する経済的保護を目的とした制度で、遺族基礎年金と遺族厚生年金があります。

1. 遺族年金の概要と法的根拠

遺族年金は、国民年金法と厚生年金保険法に基づく年金給付の一種で、保険料を納めていた者が死亡した際に、その遺族に支給される制度です。この制度は、亡くなった人が事業所で働いていたかどうかに関わらず、遺族が経済的な生活保障を受けられるように設けられています。

遺族年金の種類

遺族年金には大きく分けて遺族基礎年金と遺族厚生年金の二種類があります。遺族基礎年金は、国民全体が対象となる年金で、国民年金法に基づきます。一方、遺族厚生年金は、厚生年金保険に加入していた者の遺族が対象となる年金で、厚生年金保険法に基づきます。

遺族年金の対象者

遺族年金の受給対象者は、亡くなった者の配偶者や子ども等で、一定の条件を満たす遺族となります。その条件は、年齢や身体状況、収入等に関連しており、具体的な内容は後述の各年金の解説にて説明します。

遺族年金制度は、家族を亡くした際の生活保障という観点から重要な役割を果たしています。本記事では、遺族年金制度の各具体的な要点について解説します。

2. この記事における用語の定義

遺族基礎年金

遺族基礎年金は、国民年金法に基づいた制度で、死亡した国民年金加入者の遺族に支給される基礎的な年金です。

遺族厚生年金

遺族厚生年金は、厚生年金保険法に基づく制度で、死亡した厚生年金保険加入者(事業所で働いていた者等)の遺族に支給される年金です。

事業所

事業所とは、一定の経済活動を行う場所のことで、企業や団体などが該当します。遺族厚生年金の対象者は、事業所で働いていた者等となります。

年金権

年金権とは、年金を受け取る権利のことを指します。遺族年金の場合、亡くなった者が年金保険料を納めていたことにより、その遺族に年金権が発生します。

以上が、本記事における主要な用語の定義です。各章でこれらの用語を用いて、遺族年金の概要や申請方法、受給条件などを詳しく解説していきます。

3. 遺族基礎年金と遺族厚生年金の違い

遺族年金には、遺族基礎年金と遺族厚生年金の2種類が存在します。それぞれについての詳細を以下に説明します。

遺族基礎年金

遺族基礎年金は、国民年金法に基づいて提供される制度です。死亡した国民年金の加入者の配偶者や子どもなどの遺族に支給されます。受給資格は、配偶者が60歳以上、子どもが18歳以下(障害のある場合は20歳以下)であることが求められます。

遺族厚生年金

一方、遺族厚生年金は、厚生年金保険法に基づいて提供されます。これは、事業所で働いていた人が死亡した場合に、その遺族に支給されるものです。この厚生年金は、被保険者が事業所で働いていた期間と給与額により決まります。

以上の2つの制度により、遺族は経済的な保護を受けることができます。そのため、家族を亡くした際には、適切な年金を受け取ることが大切です。

4. 遺族年金の申請方法と必要な書類

遺族年金を受け取るためには、申請手続きが必要です。以下にその手続きを説明します。

遺族基礎年金の申請

遺族基礎年金の申請は、遺族が住民登録をしている市区町村の窓口で行います。申請には、「年金請求書」、「身元保証書」、「戸籍謄本」、「銀行口座の証明書」等が必要となります。

遺族厚生年金の申請

遺族厚生年金の申請は、日本年金機構の事業所窓口または郵送で行います。申請には、「年金請求書」、「身元保証書」、「戸籍謄本」、「銀行口座の証明書」、「被保険者の勤務証明書」等が必要となります。

申請手続きを進める上で、必要な書類や詳しい手続きについては、事前に各窓口に確認することが推奨されます。また、申請に際しては適切なタイミングが重要で、遺族年金の受給資格が発生した日から2年以内に申請しなければなりません。

5. 遺族年金の受給条件

遺族年金を受け取るためには、一定の受給条件を満たす必要があります。以下に、それぞれの制度における主な条件を示します。

遺族基礎年金の受給条件

  1. 配偶者の遺族:死亡した時点で被保険者であった配偶者が60歳以上であること。
  2. 子どもの遺族:死亡した時点で被保険者であった親が持つ子が18歳以下(障害がある場合は20歳以下)であること。

遺族厚生年金の受給条件

  1. 配偶者の遺族:死亡した時点で厚生年金保険の被保険者であった配偶者がある程度の期間、被保険者と生計を一にしていたこと。
  2. 子どもの遺族:死亡した時点で被保険者であった親が持つ子が18歳以下(障害がある場合は20歳以下)であること。

以上が、遺族基礎年金と遺族厚生年金の主な受給条件です。これらの条件を満たす遺族が対象となります。ただし、詳細な条件は年金制度の改正等により変動する場合がありますので、最新の情報を各窓口に確認することが重要です。

6. まとめ

この記事では、遺族年金についての基本的な情報を提供しました。遺族年金には、遺族基礎年金と遺族厚生年金の2種類があり、それぞれに独自の申請手続きと受給条件があります。

遺族基礎年金は国民年金法に基づく制度で、遺族厚生年金は厚生年金保険法に基づく制度です。どちらも、死亡した配偶者や親の国民年金または厚生年金の被保険者としての地位を受け継ぐ遺族に対する経済的な保護を目指しています。

申請手続きや受給条件はそれぞれ異なるため、家族を亡くした際には適切な年金を受け取ることが大切です。それぞれの制度について理解し、適切な手続きを行うことが求められます。最新の情報は各窓口で確認するようにしましょう。

7. 参考URL

日本年金機構 遺族年金

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