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育児休業の基礎知識!育児休暇との違いや取得の条件

労務コラム 育児休業 雇用保険
育児休業制度はこれまで何度も改正を繰り返し、期間の延長など利用者の立場にたった見直しがおこなわれています。
2022年4月からは、改正「育児・介護休業法」の一部が施行され、事業主には新たな対応が求められていきます。
今回は、育児休業の基礎知識、取得条件、育児休業給付金などについて解説します。

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育児休業とは

育児休業とは、労働者が子どもを養育するために休業できる制度です。原則として1歳に満たない子どもを養育する労働者に適用され、法律上の親子関係があれば、実子、養子を問わず取得することができます。
休業中は給付金が支給され、仕事と育児を両立する助けとなります。2022年7月現在、女性の育児休業利用率は80%を超えていますが、男性の利用率は10%程度と低い水準に留まっています。

育児休暇との違い

育児休暇とは、育児に関する目的(配偶者の出産や子の行事参加など)で利用できる、企業が独自に導入する休暇制度です。有給か無給か、いつまでの期間かなどは企業の規定によって異なります。
これは育児・介護休業法により企業の努力義務とされているものです。2016年の厚生労働省の調査では、育児休業制度を社内規定にしている企業は95.3%と多い一方で、育児を理由とした休暇制度がある企業は17.1%と少なく、独自の育児休暇にまでは手が及んでいない状況といえます。

育児休業制度の条件

育児休業制度を受けられるのは、以下の条件を満たす労働者です。

  • 1歳未満の子どもを養育している

対象となる子の年齢は原則として「1歳未満」ですが、保育園に入所できなかった場合などは延長することができ、最長で2歳まで延長可能です。

契約社員、アルバイト、パートなどの場合

契約社員やアルバイト、パートなど、期間を定めて雇用されている労働者も育児休業を取得することができます。その場合には、次の条件を満たす必要があります。

  • 養育する子どもが1歳6か月になるまで、労働契約(更新後の契約も含む)が満了することが明らかでないこと

※2022年4月より、「その会社に雇用された期間が1年以上続いている」条件は撤廃

上記を満たさない場合や、1日単位で雇用されている日雇い労働者は育児休業を取得できません。

育児休業給付金(育休手当)

育児休業給付金とは、育児休業を取得した際に支給される手当のことです。
片方の親が専業主婦(夫)の場合も、働いている親が育児休業を取得して給付金の支給を受けることができます。

育児休業給付金を受給するためには以下の条件を満たす必要があります。

  • 雇用保険に加入している
  • 1歳未満の子どもがいる
  • 産休前の2年間で、1ヶ月に11日以上働いた月が12ヶ月以上ある
  • 育休期間中の1ヶ月あたり、休業開始前の1ヶ月の賃金の80%以上が支払われていない
  • 育休期間中に就業している日数が1ヶ月あたり10日以下である

2021年の改正により、育児休業給付金の対象となる労働者の被保険者期間の起算点が、「育児休業開始日」から「産前休業開始日等」に変更になりました。
この変更により、これまで要件を満たさなかった勤務期間が1年程度の被保険者が支給の対象者になる可能性があります。

育児休業制度の改正点【2022年度】

育児休業制度は、現在も盛んに改正がおこなわれています。
2022年4月には、「雇用環境の整備、周知・意向確認」と「有期雇用労働者の育児休業取得要件の緩和」が義務化されました。
この改正は今後も段階的に進められていき、2022年10月からは「産後パパ育休(出生時育児休業)」の創設、「育児休業の分割取得」が可能になっていきます。

新たに企業の義務とされる制度もあることから、事業主は改正内容についての知識を身に着け、準備を進めていく必要があります。

まとめ

少子高齢化にともない、今後ますますの労働人口の減少が懸念されています。人材確保競争が激化していくなかで従業員の離職を防ぐことは、企業における重要課題です。
従業員が仕事と育児を両立できる社内環境の整備は、生産性向上や優秀な人材確保・定着にもつながっていくでしょう。

服部社会保険労務士事務所では、育児休業に関しての手続きをサポートするサービスをご用意しています。
社会保険・労働保険についてのご相談は、当事務所のお問い合わせフォームまたはLINEよりご連絡ください。

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