人材確保等支援助成金(テレワークコース)が拡充|サービス利用料も対象に
投稿日:2022年8月24日
これによりテレワーク用サービス利用料も助成対象になったほか、テレワーク勤務を試行的に導入している事業主も助成を受けることができます。
今回は、人材確保等支援助成金(テレワークコース)の概要と支給要件などについて解説します。
人材確保等支援助成金(テレワークコース)とは
人材確保等支援助成金とは、雇用保険の適用事業主が活用できる人材確保や育成のための助成金制度です。
今回新たに拡充された人材確保等支援助成金(テレワークコース)は、テレワークを導入・実施することで、人材確保や雇用管理改善などの効果をあげた中小企業事業主に向けられています。
テレワークとは
テレワークとは、情報通信技術を利用し労働者が事業所の外(労働者の自宅、サテライトオフィスなど)から勤務することを指します。
新型コロナウイルス感染症の影響により、近年導入する企業が増えています。
【参考】厚生労働省 「人材確保等支援助成金(テレワークコース)」(外部サイト)
支給要件と助成額
人材確保等支援助成金(テレワークコース)の助成内容は「機器等導入助成」と「目標達成助成」の2つに分けられます。支給要件と助成額は以下のとおりです。
機器等導入助成
機器等導入助成を受けるためには、事業主が以下のような措置を講じる必要があります。
- テレワーク実施計画を作成し、管轄の労働局に提出してその認定を受ける
- 計画認定日以降、機器等導入助成の支給申請日までに、テレワークに関する制度として、所定の内容を規定した就業規則又は労働協約を整備する
- 認定を受けたテレワーク実施計画に基づき、実際にその取組を実施する
- 評価期間(機器等導入助成)における対象労働者のテレワーク実施状況が、以下①②のいずれかを満たす
①評価期間(機器等導入助成)に1回以上、テレワーク実施対象労働者全員がテレワークを実施する
②評価期間(機器等導入助成)にテレワーク実施対象労働者が週平均1回以上テレワークを実施する
助成額は、1企業あたり支給対象となる経費の30%です。上限額は「1企業あたり100万円」または「テレワーク実施対象労働者1人あたり20万円」の低い方の金額になります。
目標達成助成
目標達成助成を受けるために必要な取り組みは以下のとおりです。
- 離職率に関する以下①②の目標を達成している
①テレワークに関する制度整備の結果、評価時離職率が、計画時離職率以下である
②評価時離職率が30%以下である - 評価期間(機器等導入助成)初日から12カ月を経過した日からの3カ月の間に1回以上テレワークを実施した労働者数が、次に示す人数以上である
評価期間(機器等導入助成)初日から12カ月を経過した日における対象事業所の労働者数×計画認定時点における対象事業所の労働者全体に占めるテレワーク実施対象労働者の割合
助成額は、1企業あたり支給対象となる経費の20%(生産性要件を満たす場合は35%)です。上限額は「1企業あたり100万円」または「テレワーク実施対象労働者1人あたり20万円」の低い方の金額になります。
取り組みごとの上限額
導入する機器や取り組みごとの上限額は以下のように設定されています。
- ・ネットワーク機器(15万円)
- ・サーバ機器(50万円)
- ・NAS機器(10万円)
- ・セキュリティ機器(30万円)
- ・ウェブ会議関係機器(1万円/対象労働者1人)
- ・サテライトオフィス利用料(30万円)
【参考】厚生労働省 「人材確保等支援助成金(テレワークコース)のご案内」(外部サイト)
人材確保等支援助成金の改正【2021年12月】
2021年12月、人材確保等支援助成金(テレワークコース)の支給要領が改正されました。
これにより、テレワーク勤務を「試行的に導入している、または試行的に導入していた事業主」も助成対象となりました。
さらに、以下のテレワーク用サービス利用料も対象経費に追加されました。
- ・リモートアクセス及びリモートデスクトップサービス
- ・仮想デスクトップサービス
- ・クラウドPBXサービス
- ・Web会議などに用いるコミュニケーションサービス
- ・ウイルス対策及びエンドポイントセキュリティサービス
助成の上限額は初期費用5万円、利用料35万円です。
【参考】厚生労働省 「人材確保等支援助成金(テレワークコース)支給要領」(外部サイト)
申請から支給までの流れ
人材確保等支援助成金(テレワークコース)の申請から支給までの流れは、次のようになっています。
- 1.テレワーク実施計画の作成・提出
- 2.管轄労働局がテレワーク実施計画を認定
- 3.テレワーク実施計画にもとづいたテレワークを可能とする取り組みを実施
- 4.機器等導入助成の評価期間にテレワークを実施
- 5.機器等導入助成の支給申請
- 6.目標達成助成の評価期間にテレワークを実施
- 7.目標達成助成の支給申請
申請方法についての疑問点は、各都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)にお問い合わせください。
【参考】厚生労働省 「都道府県労働局(労働基準監督署、公共職業安定所)所在地一覧」(外部サイト)
まとめ
人材確保等支援助成金(テレワークコース)は、新型コロナウイルス感染症の影響を受ける中小企業の助けとなる制度です。
良質なテレワークをおこなうことで、人材確保や雇用改善において効果をあげることが期待できます。
テレワークを導入、検討している事業主の方はぜひご活用ください。
服部社会保険労務士事務所では、上記のような手続きをサポートするサービスをご用意しています。
社会保険・労働保険についてのご相談は、当事務所のお問い合わせフォームまたはLINEよりご連絡ください。